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第1章: 環境構築

学習目標

この章では、Webフロントエンド開発に必要な環境を構築し、最初のHello Worldアプリケーションを作成します。

  • Web開発の全体像を理解する
  • なぜこれらのツールが必要なのかを理解する
  • VS Codeのインストールと設定
  • Node.jsのインストールと動作確認
  • GitHubアカウントの作成とGitの設定
  • Next.jsプロジェクトの作成と起動

0. Web開発の全体像を理解しよう

0-1. Webサイトが表示される仕組み

まず、普段何気なく見ているWebサイトがどのように表示されているのかを理解しましょう。

基本的な流れ:

1. あなたがブラウザでURLを入力する
   ↓
2. ブラウザがサーバーに「このページを見せて」とリクエストを送る
   ↓
3. サーバーがHTMLファイルを返す
   ↓
4. ブラウザがHTMLを読み込む
   ↓
5. HTMLに書かれたCSSファイルやJavaScriptファイルも読み込む
   ↓
6. ブラウザがこれらを解釈して画面に表示する

具体的な例:

https://example.com にアクセスした時、あなたのブラウザ(Chrome、Safari、Firefoxなど)は以下のことをしています:

  1. HTMLを取得: サーバーから index.html というファイルを受け取る
  2. HTMLを解析: ブラウザが <h1>タイトル</h1> のような命令を読み取る
  3. CSSを適用: <h1> を「文字サイズ32px、太字、青色」にするなどの装飾を適用
  4. JavaScriptを実行: ボタンをクリックしたら何かが起こる、などの動的な機能を追加
  5. 画面に描画: これらすべてを組み合わせて、目に見える形で表示する

0-2. フロントエンドとバックエンド

Web開発には大きく分けて2つの領域があります。

フロントエンド(このコースで学ぶ部分):

  • ユーザーが直接見て、触る部分
  • ブラウザ上で動く
  • HTML、CSS、JavaScriptを使う
  • 例:ボタンのデザイン、アニメーション、フォーム入力

バックエンド(このコースでは扱わない):

  • ユーザーからは見えない、サーバー側の処理
  • データベースとのやり取り、ユーザー認証など
  • 例:ログイン処理、データの保存、複雑な計算

両者の関係:

┌─────────────────┐        ┌─────────────────┐
│  フロントエンド   │ ←──→  │  バックエンド    │
│  (ブラウザ)      │  通信  │  (サーバー)      │
│                 │        │                 │
│ ・HTML/CSS/JS   │        │ ・データベース   │
│ ・見た目        │        │ ・ビジネスロジック│
│ ・ユーザー操作  │        │ ・データ保存     │
└─────────────────┘        └─────────────────┘

0-3. なぜ開発環境が必要なのか

質問: 「HTMLファイルを作ってブラウザで開けば表示されるのに、なぜわざわざ開発環境を整える必要があるの?」

答え: シンプルなHTMLファイル1つだけなら確かにメモ帳で作れます。しかし、実際の開発では:

1. ファイルが大量になる

  • 現代のWebサイトは数十〜数百のファイルから構成される
  • 手作業で管理するのは不可能

2. コードの品質を保つ必要がある

  • タイポや文法エラーを自動でチェックしてほしい
  • コードを見やすく整形してほしい

3. 効率的に開発したい

  • コードを書くと自動で補完してほしい
  • 保存すると自動でブラウザをリロードしてほしい

4. チームで開発する

  • 複数人で同じプロジェクトを編集する
  • 誰がいつ何を変更したか記録したい

これらの理由から、専用のツールが必要になります。

0-4. このコースで使うツールの役割

これから以下のツールをインストールしますが、それぞれの役割を先に理解しておきましょう:

ツール 役割 なぜ必要?
VS Code コードエディタ メモ帳の超強化版。コードの補完、エラー表示、ファイル管理など
Node.js JavaScript実行環境 ブラウザ外でもJavaScriptを実行できるようにする。開発ツールを動かすために必須
npm パッケージマネージャー 他の人が作った便利なツールやライブラリを簡単にインストールできる
Git バージョン管理 コードの変更履歴を記録。過去の状態に戻したり、チームで協力できる
GitHub コード共有サービス Gitで管理したコードをクラウドに保存・共有
Next.js Reactフレームワーク 効率的にモダンなWebサイトを作るための土台

全体の関係図:

あなた
  ↓ コードを書く
VS Code (エディタ)
  ↓ 保存すると
Node.js (開発サーバーを起動)
  ↓ ファイルを処理して
ブラウザに表示
  ↓ 気に入ったら
Git (変更を記録)
  ↓ 共有したいとき
GitHub (クラウドに保存)

1. VS Codeのインストール

1-1. ダウンロードとインストール

Visual Studio Code(VS Code)は、無料で使える高機能なコードエディタです。

  1. VS Code公式サイトにアクセス
  2. お使いのOS(Windows / macOS / Linux)に対応したインストーラーをダウンロード
  3. インストーラーを実行し、指示に従ってインストール

📸 スクリーンショット: VS Code公式サイトのダウンロードページ

1-2. 推奨拡張機能のインストール

VS Codeを起動したら、以下の拡張機能をインストールしましょう:

  1. ESLint - JavaScriptの構文チェック
  2. Prettier - Code formatter - コードの自動整形
  3. ES7+ React/Redux/React-Native snippets - Reactのコードスニペット
  4. Auto Rename Tag - HTMLタグの自動リネーム

📸 スクリーンショット: 拡張機能のインストール画面

インストール手順:

  1. VS Codeの左サイドバーから「拡張機能」アイコンをクリック
  2. 検索バーに拡張機能名を入力
  3. 「インストール」ボタンをクリック

2. Node.jsのインストール

2-0. Node.jsとは何か、なぜ必要か

Node.jsの正体: Node.jsは、JavaScriptをブラウザの外でも実行できるようにする環境(ランタイム)です。

歴史的背景: もともとJavaScriptは「ブラウザの中でしか動かない言語」でした。HTMLのボタンをクリックしたら何かが起こる、といった用途のためだけに作られました。

しかし、2009年にNode.jsが登場したことで状況が変わりました:

  • JavaScriptがブラウザの外でも動くようになった
  • サーバー側のプログラムもJavaScriptで書けるようになった
  • 開発ツール(ビルドツール、テストツールなど)もJavaScriptで作れるようになった

なぜフロントエンド開発にNode.jsが必要なのか:

「フロントエンド開発なのに、なぜサーバー側の技術が必要なの?」と疑問に思うかもしれません。答えは:

1. 開発サーバーを動かすため

  • npm run dev でローカル開発サーバーが起動します
  • このサーバーは Node.js 上で動いています
  • コードを変更すると自動でブラウザをリロードしてくれる便利機能も Node.js が提供

2. ビルドツールを動かすため

  • TypeScript → JavaScript への変換
  • 複数のファイルを1つにまとめる(バンドル)
  • コードを圧縮して高速化
  • これらすべてが Node.js 上で動くツールで実行される

3. パッケージ管理のため

  • Node.js をインストールすると npm(Node Package Manager)も一緒にインストールされる
  • npm を使って React、Next.js などのライブラリをインストールする
  • 世界中の開発者が公開している便利なツールを簡単に使える

具体例で理解する:

昔のやり方(Node.js なし):

1. HTMLファイルを手書き
2. CSSファイルを手書き
3. JavaScriptファイルを手書き
4. それぞれを <script> や <link> タグで読み込む
5. ブラウザで開いて確認
6. 変更したら手動でブラウザをリロード

今のやり方(Node.js あり):

1. npm run dev で開発サーバー起動
2. コードを書く(TypeScript、React など)
3. 保存すると自動で
   - TypeScript が JavaScript に変換される
   - 必要なファイルがまとめられる
   - ブラウザが自動リロードされる
4. 最新の状態がすぐに確認できる

npmとは:

Node.jsをインストールすると、npm(Node Package Manager)というツールも一緒にインストールされます。

npmは「パッケージマネージャー」です。他の開発者が作った便利なコードの塊(パッケージ)を簡単にインストールして使えるようにするツールです。

例え:

  • スマホの「アプリストア」のようなもの
  • 欲しいアプリ(パッケージ)を検索してインストールできる
  • アップデートも簡単

実際の使用例:

# Reactをインストール
npm install react

# Next.jsをインストール
npm install next

# プロジェクトを作成(create-next-appというツールを使う)
npx create-next-app my-app

2-1. インストール方法

推奨: LTS(Long Term Support)版をインストールしてください。

Windowsの場合

  1. Node.js公式サイトにアクセス
  2. 「LTS(推奨版)」をダウンロード
  3. インストーラーを実行し、指示に従ってインストール

macOSの場合

方法1: 公式サイトからインストール

  • 上記Windowsと同様の手順

方法2: Homebrewを使う(推奨)

brew install node

Linuxの場合

# Ubuntu/Debian
curl -fsSL https://deb.nodesource.com/setup_lts.x | sudo -E bash -
sudo apt-get install -y nodejs

# Fedora
sudo dnf install nodejs

2-2. インストール確認

ターミナル(またはコマンドプロンプト)を開いて、以下のコマンドを実行します:

node -v
npm -v

バージョン番号が表示されればインストール成功です。

📸 スクリーンショット: ターミナルでのバージョン確認

期待される出力例:

v20.11.0
10.2.4

3. Gitの設定とGitHub

3-0. Gitとは何か、なぜ必要か

Gitの正体: Gitは「バージョン管理システム」です。コードの変更履歴を記録し、過去の状態に戻したり、複数人で協力して開発したりできるようにするツールです。

なぜ必要なのか - 具体的なシナリオ:

シナリオ1: 「やっぱり前の状態に戻したい」

昨日まで動いていた機能が、今日の変更で壊れてしまった...
どこを変更したか覚えていない...

→ Gitがあれば: 「昨日の状態」に一瞬で戻せる
→ Gitがなければ: 手作業ですべて元に戻す(ほぼ不可能)

シナリオ2: 「複数の機能を同時に開発したい」

新機能Aを開発中だけど、緊急のバグ修正Bもしないといけない
でも新機能Aはまだ未完成で、本番環境に出せない...

→ Gitがあれば: 「ブランチ」を使って別々に作業できる
→ Gitがなければ: ファイルをコピーして管理(混乱する)

シナリオ3: 「チームで開発したい」

3人で同じプロジェクトを開発している
それぞれが別々のファイルを編集している
どうやって統合する?

→ Gitがあれば: 自動でマージ(統合)できる
→ Gitがなければ: メールでファイルを送り合う(事故の元)

Gitの基本概念:

Gitは「スナップショット」でコードを管理します:

初期状態
  ↓ (commit: 最初のファイル追加)
スナップショット1
  ↓ (commit: ボタンの色を変更)
スナップショット2
  ↓ (commit: 新しいページを追加)
スナップショット3 ← いまここ

各スナップショットには:

  • 誰が変更したか
  • いつ変更したか
  • 何を変更したか
  • なぜ変更したか(コミットメッセージ)

という情報が記録されています。

GitHubとの関係:

Git
├─ ローカル(あなたのPC)で動く
├─ コマンドラインツール
└─ コードの履歴を管理

GitHub
├─ クラウド(インターネット上)のサービス
├─ Web サイト
└─ Git で管理したコードを保存・共有

例え:

  • Git = カメラ(写真を撮る道具)
  • GitHub = Instagram(写真を共有するサービス)

GitHubの主な用途:

  1. バックアップ: PCが壊れてもコードは安全
  2. 共有: チームメンバーと簡単にコードを共有
  3. 公開: 自分の作品を世界に公開(ポートフォリオ)
  4. 協力: オープンソースプロジェクトに貢献

3-1. Gitのインストール

Windowsの場合

  1. Git for Windowsからダウンロード
  2. インストーラーを実行(基本的にデフォルト設定でOK)

macOSの場合

# Homebrewを使用
brew install git

# またはXcode Command Line Toolsをインストール
xcode-select --install

Linuxの場合

# Ubuntu/Debian
sudo apt-get install git

# Fedora
sudo dnf install git

3-2. Git初期設定

ターミナルで以下のコマンドを実行します:

git config --global user.name "あなたの名前"
git config --global user.email "[email protected]"

確認:

git config --list

3-3. GitHubアカウントの作成

  1. GitHubにアクセス
  2. 「Sign up」から新規アカウントを作成
  3. メールアドレスを認証

📸 スクリーンショット: GitHub登録画面


4. Next.jsプロジェクトの作成

4-0. Next.jsとは何か、なぜ使うのか

Next.jsの正体: Next.jsは、Reactをベースにしたフレームワークです。「Webサイトを作るための、便利機能がたくさん詰まった道具箱」と考えてください。

段階的に理解しよう:

Step 1: HTMLだけでWebサイトを作る場合

<!-- 昔ながらの方法 -->
<html>
  <head><title>私のサイト</title></head>
  <body>
    <h1>ようこそ</h1>
    <p>これは私のサイトです</p>
  </body>
</html>
  • シンプルで分かりやすい
  • でも、100ページあったらどうする?
  • ヘッダーやフッターを全ページにコピペ?
  • 1箇所変更するとき、100ページ全部修正?

Step 2: JavaScriptで動的にする

// ボタンを押したら内容が変わる
button.addEventListener('click', () => {
  document.getElementById('content').innerHTML = '新しい内容';
});
  • 動的な操作ができる
  • でも、複雑になると管理が大変
  • コードが散らかりやすい

Step 3: Reactで部品化する

// 再利用可能なコンポーネント
function Button({ text, onClick }) {
  return <button onClick={onClick}>{text}</button>;
}

// 何度でも使える
<Button text="クリック" onClick={handleClick} />
<Button text="送信" onClick={handleSubmit} />
  • コードが整理される
  • 部品を再利用できる
  • でも、ページ遷移やSEOは自分で実装

Step 4: Next.jsで完璧にする

// Next.jsなら、これだけで1ページ
// app/page.tsx
export default function Home() {
  return <h1>ようこそ</h1>;
}

// app/about/page.tsx を作れば /about ページが自動で作られる
export default function About() {
  return <h1>About</h1>;
}
  • ファイルベースのルーティング(自動でページ作成)
  • SEO対策が簡単
  • 画像の最適化が自動
  • 高速なページ読み込み
  • その他、多数の便利機能

Next.jsが解決する問題:

問題 Next.jsの解決策
ページごとにHTMLファイルを作るのが面倒 ファイルを置くだけで自動でルーティング
SEO対策(検索エンジン対策)が難しい サーバーサイドレンダリング標準搭載
画像の最適化が面倒 自動で最適化してくれる
ページの読み込みが遅い 自動でコード分割、先読みなど
開発サーバーの設定が面倒 npm run dev 一発で起動

なぜNext.jsを学ぶのか:

  1. 業界標準: 多くの企業が採用している
  2. 学習効率: React + ルーティング + SEO対策などを一度に学べる
  3. 実用性: 実際の仕事で使えるスキルが身につく
  4. 将来性: モダンWeb開発のトレンドを体験できる

Reactとの関係:

React
  ↓ これをベースに
Next.js(Reactの機能 + 追加機能)
  ↓ 使って作る
あなたのWebサイト

Reactは「エンジン」、Next.jsは「エンジン付きの完成車」のようなものです。

4-1. プロジェクトの作成

いよいよ、最初のNext.jsプロジェクトを作成します!

ターミナルで以下のコマンドを実行します:

npx create-next-app@latest my-first-app

以下のような質問が表示されます。推奨設定:

✔ Would you like to use TypeScript? … Yes
✔ Would you like to use ESLint? … Yes
✔ Would you like to use Tailwind CSS? … Yes
✔ Would you like to use `src/` directory? … Yes
✔ Would you like to use App Router? … Yes
✔ Would you like to customize the default import alias? … No

📸 スクリーンショット: create-next-appの実行画面

4-2. プロジェクトディレクトリに移動

cd my-first-app

4-3. 開発サーバーの起動

npm run dev

ブラウザで http://localhost:3000 にアクセスすると、Next.jsのウェルカムページが表示されます。

📸 スクリーンショット: Next.jsのウェルカムページ


5. Hello Worldを作ってみよう

5-0. 「Hello World」がなぜ画面に表示されるのか

コードを書く前に、「なぜ画面に表示されるのか」を理解しましょう。これは非常に重要な概念です。

全体の流れ:

1. あなたがコードを書く (page.tsx)
   ↓
2. ファイルを保存する
   ↓
3. Next.js(開発サーバー)が検知する
   ↓
4. TypeScript → JavaScript に変換
   ↓
5. React のコンポーネントを処理
   ↓
6. HTML に変換
   ↓
7. ブラウザに送信
   ↓
8. ブラウザが HTML を解釈
   ↓
9. 画面に描画される

ステップごとの詳細:

ステップ1: TSXファイル(TypeScript + JSX)

あなたが書くコード:

export default function Home() {
  return <h1>Hello World!</h1>
}

これは「TSX」という形式です。HTMLに見えますが、実はJavaScriptです。

ステップ2: Next.jsが変換

Next.jsがこのコードを見て、裏で以下のような処理をします:

// あなたが書いたコード
<h1>Hello World!</h1>

// ↓ React が内部で処理する形式

React.createElement('h1', null, 'Hello World!')

ステップ3: HTMLに変換

React が最終的にHTMLを生成します:

<h1>Hello World!</h1>

ステップ4: ブラウザが描画

ブラウザがこのHTMLを受け取ると:

  1. HTML解析: <h1> タグを認識する
  2. DOMツリー構築: メモリ上に要素の構造を作る
  3. スタイル適用: CSSを適用する(デフォルトでh1は大きく太字)
  4. レイアウト計算: どこに、どれくらいの大きさで表示するか計算
  5. 描画: 画面のピクセルに実際に文字を描く

視覚的に理解する:

コード (TSX)               HTML                  画面
─────────────────────────────────────────────────
<h1>                   <h1>                 ┌──────────┐
  Hello World!    →      Hello World!   →  │Hello     │
</h1>                  </h1>                │World!    │
                                            └──────────┘
                                              大きく太字

Reactの「コンポーネント」という考え方:

export default function Home() {
  return <h1>Hello World!</h1>
}

これは「関数」です。呼び出されると、HTMLを返します。

Home() を呼び出す
  ↓
関数が実行される
  ↓
return の中身(<h1>...)が返される
  ↓
Reactがそれを画面に表示

なぜ関数なのか:

HTMLを直接書くのではなく、関数で書くことで:

  1. 再利用できる: 同じ関数を何度でも呼べる
  2. 動的にできる: 引数によって表示を変えられる
  3. 条件分岐できる: if文で表示を切り替えられる
  4. 整理しやすい: 部品として管理できる

実際の動作確認:

次のセクションでコードを書いたとき、ブラウザの開発者ツール(F12キー)を開いてみてください。 「Elements」タブを見ると、実際に生成されたHTMLが確認できます。

5-1. ファイルの編集

VS Codeでプロジェクトを開きます:

code .

src/app/page.tsx を開いて、以下のように書き換えます:

export default function Home() {
  return (
    <main className="flex min-h-screen flex-col items-center justify-center p-24">
      <h1 className="text-4xl font-bold">Hello World!</h1>
      <p className="mt-4 text-xl">私の最初のNext.jsアプリです</p>
    </main>
  )
}

このコードの意味を一行ずつ理解しよう:

export default function Home() {
  • export default: この関数を外部から使えるようにする
  • function Home(): "Home" という名前の関数を定義
  • この関数がページ全体を表す「コンポーネント」
  return (
  • この関数が返すもの(HTMLのような見た目のコード)を指定
    <main className="flex min-h-screen flex-col items-center justify-center p-24">
  • <main>: HTML5のセマンティックタグ(メインコンテンツを表す)
  • className: CSSのクラスを指定(Tailwind CSSのクラス)
    • flex: フレックスボックスレイアウト
    • min-h-screen: 最小の高さを画面全体に
    • flex-col: 縦方向に並べる
    • items-center: 中央揃え(横)
    • justify-center: 中央揃え(縦)
    • p-24: 余白(padding)
      <h1 className="text-4xl font-bold">Hello World!</h1>
  • <h1>: 見出しタグ
  • text-4xl: 文字サイズ大
  • font-bold: 太字
  • 実際の表示内容: "Hello World!"
      <p className="mt-4 text-xl">私の最初のNext.jsアプリです</p>
  • <p>: 段落タグ
  • mt-4: 上マージン(margin-top)
  • text-xl: 文字サイズ中

保存したら何が起こるか:

  1. ファイル保存を検知
  2. Next.js が自動で再ビルド
  3. ブラウザが自動でリロード(Hot Module Replacement)
  4. 変更がすぐに画面に反映

この一連の流れが1秒以内に完了します。これがモダンな開発環境の便利さです。

実際に試してみよう:

保存したら、ブラウザで確認してください。「Hello World!」が画面中央に大きく表示されるはずです。

次に、以下を試してみましょう:

  1. "Hello World!" を "こんにちは世界!" に変更して保存 → 自動で画面が更新される
  2. text-4xltext-6xl に変更して保存 → 文字が大きくなる
  3. font-bold を削除して保存 → 太字でなくなる

このように、コードを変更するだけで即座に結果が見えます。

📸 スクリーンショット: Hello World表示画面


ミニ課題

課題1: 自己紹介ページを作ろう

page.tsxを編集して、以下の情報を含む自己紹介ページを作成してください:

  • あなたの名前
  • 趣味や興味のあること
  • このコースで学びたいこと

ヒント: <h1>, <h2>, <p> タグを使って構造化しましょう。

解答例
export default function Home() {
  return (
    <main className="flex min-h-screen flex-col items-center justify-center p-24">
      <h1 className="text-4xl font-bold mb-8">自己紹介</h1>

      <div className="max-w-2xl">
        <h2 className="text-2xl font-semibold mb-4">名前</h2>
        <p className="mb-6">山田太郎です</p>

        <h2 className="text-2xl font-semibold mb-4">趣味</h2>
        <p className="mb-6">
          プログラミングと読書が好きです。
          最近はWeb開発に興味があります。
        </p>

        <h2 className="text-2xl font-semibold mb-4">学びたいこと</h2>
        <p>
          ReactとNext.jsを使って、
          自分のポートフォリオサイトを作りたいです。
        </p>
      </div>
    </main>
  )
}

よくあるエラーと解決策

エラー1: command not found: node

原因: Node.jsがインストールされていない、またはPATHが通っていない

解決策:

  1. Node.jsを再インストール
  2. ターミナルを再起動
  3. echo $PATH でPATHを確認

エラー2: npm ERR! EACCES: permission denied

原因: npmのグローバルインストール時の権限エラー

解決策(macOS/Linux):

sudo chown -R $(whoami) ~/.npm

エラー3: Port 3000 is already in use

原因: ポート3000が既に使用されている

解決策:

  1. 既存のプロセスを終了する
  2. または別のポートを使用: npm run dev -- -p 3001

エラー4: TypeScriptの型エラー

原因: 型定義が不一致

解決策:

# 型定義パッケージを再インストール
npm install --save-dev @types/react @types/node

エラー5: Cannot find module 'next'

原因: 依存関係がインストールされていない

解決策:

npm install

まとめ

この章では以下のことを学びました:

  • ✅ VS Codeのインストールと設定
  • ✅ Node.jsとnpmのインストール
  • ✅ Gitの設定とGitHubアカウント作成
  • ✅ Next.jsプロジェクトの作成
  • ✅ 開発サーバーの起動とHello World

次の章では、HTML & CSSについて学びます。


この章で習得すべきスキル

学習を完了したら、以下の項目をチェックしてください:

基礎知識の理解

  • Webサイトが表示される仕組み(ブラウザ-サーバー間の通信)を説明できる
  • フロントエンドとバックエンドの違いを理解している
  • Node.jsとnpmがなぜ必要なのか説明できる
  • Gitとバージョン管理の目的を理解している
  • Next.jsがReactの上に構築されていることを理解している

環境構築スキル

  • VS Codeをインストールし、基本的な操作ができる
  • Node.jsとnpmがインストールされているか確認できる(node -v, npm -v
  • Gitがインストールされているか確認できる(git --version
  • GitHubアカウントを作成し、リポジトリの概念を理解している
  • npx create-next-app@latestでプロジェクトを作成できる

実践スキル

  • ターミナル(コマンドライン)で基本的なコマンドを実行できる
  • npm run devで開発サーバーを起動できる
  • ブラウザでlocalhost:3000にアクセスして結果を確認できる
  • VS Codeでファイルを開いて編集できる
  • エラーメッセージを読んで、基本的なトラブルシューティングができる

トラブルシューティング

  • ポートが使用中の場合の対処法を知っている
  • Node.jsのバージョン不一致エラーを解決できる
  • npm installで依存関係をインストールできる

次のステップへの準備

  • プロジェクトのディレクトリ構造を理解している
  • app/page.tsxファイルがどこにあるか分かる
  • 簡単なテキスト変更をして、ブラウザで確認できる

参考リンク